小学生になるということは人生の中で一つの節目であり、「これから学校で勉強するんだ」と胸を弾ませていたことでしょう。
友達をたくさん作って遊びたいという気持ちも強かったことと思います。しかし実際に学校が始まってみると、思っていた通りにならないことに気がつくお子さんがほとんどで、勉強に関しては好きな科目と嫌いな科目ができてきます。
そうなってくると保護者は「これでいいのだろうか?」と不安になり、塾に通わせることを考えたりして何とか好き嫌いを無くそうとします。そこで今回は、実際に小学生の嫌いな科目のランキングのデータをもとに、今児童にどのようなことが起きているのかを見ていきたいと思います。
友達をたくさん作って遊びたいという気持ちも強かったことと思います。しかし実際に学校が始まってみると、思っていた通りにならないことに気がつくお子さんがほとんどで、勉強に関しては好きな科目と嫌いな科目ができてきます。
そうなってくると保護者は「これでいいのだろうか?」と不安になり、塾に通わせることを考えたりして何とか好き嫌いを無くそうとします。そこで今回は、実際に小学生の嫌いな科目のランキングのデータをもとに、今児童にどのようなことが起きているのかを見ていきたいと思います。
教科の得意・不得意は誰にでもある!
人には個性がありそれと同時に得意なことと不得意なことがあります。それは個人の性格や環境の違いからいろんな面で言えることですが、学校の教科についても同じことが言えます。中学生や高校生にもなれば「理系が得意だ」とか「私は文系が苦手」と言うような会話がよく聞かれるようになり、誰にでもあることだとわかります。
そのようなことは小学生についても同じで、逆に「全部の教科が得意」という方が稀だと思われます。
保護者も子供の好き嫌いを認識しておき、子供が困っているような時には的確なアドバイスがあげられるような姿勢で対応できるとベストです。
小学生の嫌いな教科ランキング1位は?
2019年2月20日に学研教育総合研究所が公開した「小学生白書web版」によりますと、小学生の嫌いな教科ランキング1位は「算数」でした。(この調査は、2018年9月に、インターネットで全国の小学1~6年生の児童の保護者から抽出して実施したもので、各学年男女100人ずつ、計1200人の児童とその保護者が回答しました。)
「算数」は全体の24.2%を占めていて、2位は「国語」で21.5%、3位が「体育」で6.8%となっています。
そして将来役に立つだろうと思える教科の1位も「算数」で全体の29.6%と、「嫌い」と答えた数より多くなっています。
また学年が上がるにつれて、「嫌いな教科はない」と答える児童の割合が減少する傾向がみられたのが特徴です。
過去のランキングは?傾向に変化はある?
2010年9月に実施された「小学生白書web版」では、嫌いな科目1位は「算数」で25.9%、次に「あてはまるものはない」と回答した児童が21.6%、そして3位は「国語」で19.6%、4位が「体育」で8.3%の順でした。また「算数」と「国語」の好き嫌いを性別ごとにみていくと、男子では、「算数」は好きだけど、「国語」は嫌いな傾向になっていて、女子では反対に「算数」は嫌いですが、「国語」は好きな傾向があると言えます。
この2010年のデータと今年のデータを比較すると、嫌いな教科1位が「算数」なのは変わりませんし、「国語」のパーセンテージもほぼ似たような値になっています。
ただ「あてはまるものはない」と答えた児童が過去の方が多かったようです。
この結果になった理由は?
この調査では好きな教科も同時に回答されていて、実は「算数」は6年連続で、好きな教科、嫌いな教科の両方で第1位でした。「算数」は小学生の低学年のうちは問題も簡単で児童も楽しく学べるのですが、どこかでつまづいてしまうと途端にわからなくなり嫌いになってしまうことが多いようです。
そして嫌いな教科の勉強はやる気がないのでやらないでいると、当然テストの結果も悪くなり、ますます嫌いになる。こんな悪循環になってしまいます。
この傾向には男女の性差も関与しているのかも知れません。
また高学年になれば単なる計算問題だけではなくなるため、覚えなければならないことが増えて負担になっていく点も「算数」嫌いに影響していると言えるでしょう。
一度つまづくと取り戻すのが難しい
算数や数学は、他の教科に比べて一度つまづくと取り戻すのが難しい教科ではないでしょうか。国語の場合は、日本語の運用能力が上がることで自然と成績も上がってきます。理科や社会は知識が独立しているので、一分野でつまづいたとしても、他の分野で取り戻すことが可能でしょう。しかし算数は、一旦分からなくなるとその次の段階も分からなくなってしまうことが多いです。足し算引き算が分からないと掛け算割り算を理解することができませんし、掛け算割り算が理解できないと、分数を理解できないですよね。
ところが、学校の授業は一定の速度で進んでいきます。そのため、もしつまづいてしまった場合には、塾や家庭教師、算数教室などの利用を検討してみると良いでしょう。学校の先生任せにするのではなく、家庭でも出来るだけ勉強をサポートしてあげることが重要です。
「嫌い」を「得意」に変えるには?
「算数」が嫌いで成績も振るわないという子の場合、どんな教科でもいいのでまず好きな教科を作ることが効果的だと思われます。「やればできるんだ!」という自信を持つと、次第に他の教科にも関心が向くようになり、やる気が出てくるケースが多いようです。また家族や周囲の人から的確なアドバイスをもらうと、それがヒントになって勉強の意欲が出てくることもあるので、前述の通り嫌いな教科があって悩んでいるお子さんがいる場合は、協力的な姿勢でいてあげることが大切です。
そして得意教科に変えるためには、普段の生活の中に「算数」を取り入れ、身近な存在であることをわかってもらうと良いでしょう。
まとめ
今年のデータも過去のデータも「算数」が嫌いな教科1位だというのは、特に女の子の影響があるように思えます。そしてこの傾向はこれからも変わらないのではないかとも予想できます。
「算数」を本格的に嫌いになってしまわないうちに、わからなくなった所まで遡って復習すると早い段階で苦手意識がなくなることがあるので、「嫌いだから勉強しない」のではなく、「嫌いだからわかるようになりたい」という考え方に変えるのが効果的です。
なるべく低学年のうちから復習を習慣づけたり、友達とゲーム感覚で問題を出し合うなどの工夫をしてみると良いのではないでしょうか。